IFAとは
(詳細はIFAウェブサイトhttp://www.IFA.nl/index.htmをご覧ください。)
(1) IFA(International Fiscal Association)とは?
International Fiscal Association(IFA)は、国際租税法・比較租税法及び公財政の研究・発展に深く関わっている組織です。会員数は、100以上の国・地域に、個人・法人あわせて12,000人超となっています。
会員として、あらゆる分野、民間企業・実務専門家・政府・司法・大学等の個人及び団体が入会しています。したがって、IFAは、あらゆる職業・利害を代表する最高レベルの方々が会して国際課税の問題を議論する中立的な場となっています。
このように、IFAは、中立的な場でお互いの意見・経験を語り合うことに関心のある専門家のネットワークとなっています。IFAは、この分野において、国際的な広がりを持つ唯一のネットワークとして、自ら主催するプログラムや活動を通して、このような意見交換等を、国・領域・国際の諸レベルで促進しています。
(2) IFAの組織構成
IFAは、1938年にオランダ法に基づいて設立された団体で、本部及び事務局はオランダに置かれています。当組織の日常業務は、会長 (president)、事務総長(Secretary General)、財務総長(General Treasurer)、常設研究企画委員会(Permanent Scientific Committee : PSC)の委員長及び副委員長等の役員によって運営されています。業務関連事項に関する重要な決定は理事会(Executive Committee : EC)が行い、常設研究企画委員会(PSC)は研究関連事項を担当します。理事会は14名以下のメンバーから成り、年3回会合します。常設研究企画委員会 は約20名のメンバーで、年2回会合します。
多くのIFAの活動は各国・地域にあるIFA支部で行われます。支部の数は、2008年現在、59ヵ所となっています。全ての支部は評議委員会(General Council)に参加します。評議員会の権限は、一定の基本的な決定をすることです。会合は年1回年次総会時に開催されます。最終決定権限は、これも年1回年次総会時に開催される総会(General Assembly)にあります。
(3) 年次総会(Annual Congresses)
IFAは、毎年、全会員のために4日間の年次総会を開催します。この年次総会においては、重要な国際税務問題の研究・討議が行われます。この研究内容は、最高の専門家のレベルを反映したものとなっています。それ以外にも、社交プログラムでは、会員とそのゲストが他の参加者と出会ってホスト国のホスピタリティを存分に楽しむ機会があります。
各年次総会では、二つの主要議題が採り上げられます。この議題は、3年越しで準備され、最終的な成果としてカイエ(Cahiers)が発行されます。年次総会の2日間は一般にこれら二つの議題に当てられ、残りの2日間では実にいろいろの(近年では8本もの)セミナーが開催されます。例えば、 IFA-OECDの共同セミナーや最近の動向に関するセミナーがあり、これらのセミナーの内容は年次総会の直前に決められます。
今後の年次総会の予定、過去の年次総会のテーマについては、IFAウェブサイトhttp://www.IFA.nl/index.htmをご覧ください。
(4) カイエ(Cahiers de Droit Fiscal International)
毎年IFA会員によって書かれる2巻のカイエは、質の高さと有用性で世界中から称賛されています。これらの書物を出すには多大な準備、取組み、献身的な努力が求められます。したがって、カイエがIFAの質の高さの証明となっており、数百おそらく数千の公私立の租税図書館で目立った場所に収められているのも驚くべきことではありません。
各カイエには特定の議題についての総括報告と支部報告が掲載されており、IFAウェブサイト会員サイトでは1939年以来出版された全てのカイエのリストがご覧いただけます。
(5) 年報(Yearbook)
毎年、IFAは、前年の活動・行事について記した年報(Yearbook)を出版しています。この刊行物では、年次総会の議事録や年次総会での二つの主要 議題についての議論の要約が記されています。IFAウェブサイトとともにこの年報によって、会員は確実にIFAとの緊密なコンタクトが保たれます。
(6)モーリス・ロール賞(Maurice Lauré Prize)
IFAは国際的な間接税に関する研究を奨励するための賞を設けています。この賞は160以上の国・地域に適用されている付加価値税制の構築に尽力した著名な学者のモーリス・ロール氏にちなんで命名されております。モーリス・ロール賞は国際的な間接税に関する財政法、比較法、または外国法の法域における会計学の分野における研究に対して授与され、35歳未満の研究者が応募することができます。参加規則の詳細、及び過去の受賞者はIFA本部HPをご覧下さい。
(7) ミッチェルB.キャロル賞(Mitchell B. Carroll Prize)
国際租税法分野における若い研究者を顕彰するためIFAは初代名誉会長に敬意を表した賞を設けています。この賞は、国際税務問題、比較税法、あるいは外国 税法との関係を主眼に置いた国内税法を対象とした研究業績に与えられます。審査は、国際的に著名な専門家からなる審査委員会によってなされます。このコン テストには、35歳以下の法律家、会計士、及びエコノミストが自由に参加できます。参加規則の詳細、及び1990年以降の受賞者リストは、IFAウェブサイトをご覧ください。賞金(2008年では5,000€)は年次総会中に与えられ、受賞者はその場に招待されます。
(8) デビッドR.テイリンガスト研究プログラム(David R. Tillinghast Research Programme)
IFAは、技術革新および金融革新が所得及び活動に対する課税に与える影響を研究する、デビッドR.テイリンガスト研究プログラム(David R. Tillinghast Research Programme)を立ち上げました。ここでの研究は、常設研究企画委員会(PSC)の管理の下、極めて高い評判の諸専門家によって行われます。
第一のセグメントでは、情報通信における技術革新が伝統的な源泉地課税の概念に与える影響を扱っています。その成果は1999年に出版され、2001年にはその改定版"電子商取引と多国間課税(Electronic Commerce and Multijurisdictional Taxation)"が出版されています。第三のセグメントでは、国際税務紛争の代替的解決手段としての仲裁を扱い、"租税条約仲裁(Income Tax Treaty Arbitration)"と題した本を2004年に出版しました。第五のセグメントでは、IFAとOECDの共同事業として、租税条約の実際の適用の問題を扱っています。
その他にも多くのセグメントが立ち上げられており、IFAの研究活動をリードするこのプログラムのモーメンタームの維持が図られています。
(9) ポスタープログラム(Poster Programme)
1993年以来、IFAは、大学や大学院の学生が国際税務の問題を研究・分析する活動を奨励し、その成果を公表するためにポスタープログラムを行っています。毎年、10名以下の候補者が選考され、年次総会に無料で参加して、自分達の研究成果の内容や採り上げた問題点を概説したポスターを掲示します。
(10) 研究員プログラム(Research Associate Programme)
毎年、IFAは、常設研究企画委員会(PSC)を手助けする若い研究員を今後の年次総会の主要議題やセミナーのトピックを分析・評価・選定する作業に従事 させています。この研究員がオランダに滞在中は、アムステルダムに本拠を置くInternational Bureau of Fiscal Documentation(IBFD)が研究や日常の支援を行います。基本的な手当てや住居費の補助はIFAが負担します。研究員は任期中PSCの会合 や年次総会に出席します。
(11)他組織との連携
IFAが国際租税及び公財政の世界を通じて高い評価を得ていることを示すのは、IFAがこれらの問題が議論される多くの民間及び公の場でのゲストとして歓迎されているということです。
IFAは国連経済社会理事会(United Nations Economic and Social Council)の顧問的な立場を有しており、その資格で税務問題国際協力に関する専門家委員会の会合に出席します。また、EU、CIAT、ICC、 OECD、その他の様々な組織の租税に関する諸活動と緊密な関係を維持しています。また、IFAの姉妹機関であるInternal National Bureau of Fiscal Documentation(IBFD)は、元々はIFAの一部として設立されたものです。
IFAは、私的部門と公的部門が対立する租税の世界で、特別な役割を果たしています。毎年の年次総会に開催されるIFA/OECD共同セミナーでは、公的機関に属するパネリストと私的機関に属するパネリストが共に参加し、共通の問題を議論します。
(詳細はIFAウェブサイトhttp://www.IFA.nl/index.htmをご覧ください。)